SUPMART COLUMN — NUTRITION

TikTokでバズった
「ファイバーマキシング」とは?

アメリカにおいてプロテインの次に来た栄養素は、意外にも食物繊維でした。アメリカのSNSで広がった「ファイバーマキシング(fibermaxxing)」は、専門家が正面から否定しない、めずらしい健康トレンドです。何が起きているのか、日本の私たちにとって何が新しくて何が新しくないのかを整理します。

ファイバーマキシングとは

ファイバーマキシングとは、食物繊維の摂取量を意識的に「最大化」する食習慣を指します。「maxxing」は maximizing(最大化する)を縮めたSNSスラングで、ルックスマキシング、プロテインマキシングと続いてきた語形の延長線上にあります。

やることは、驚くほど単純です。毎食に豆・野菜・全粒穀物・ナッツ・種子を足していく。チアシードをヨーグルトに振る。白米を雑穀に替える。サラダにひよこ豆の缶詰を一掴み加える。「1週間で30種類の植物を食べられるか」といったチャレンジ形式で楽しむ人も多く、動画映えする盛り付けがSNSでの拡散を後押ししました。

特徴的なのは、これが「引き算」ではなく「足し算」の食事法だという点です。糖質制限やファスティングのように何かを禁じるのではなく、今の食事に繊維を追加していく。だから罪悪感を伴わず、続けやすい。この設計思想が、従来の流行ダイエットとの決定的な違いになっています。

なぜ、いまアメリカで

単発のバズではなく、複数の潮流が同時に重なった結果として理解したほうが実態に近いように思います。

1 GLP-1受容体作動薬の普及/体重管理を目的とした薬剤の使用者が急増し、その食事管理において食物繊維とタンパク質が必須項目として扱われるようになりました。さらに、水溶性繊維が腸内細菌に発酵されて生じる短鎖脂肪酸が、体内のGLP-1分泌に関与することが知られています。ここから「天然のオゼンピック(nature's Ozempic)」という強力なキャッチコピーが生まれました。
2 プロテインブームの飽和/十数年続いた高タンパク志向が一巡し、「次の主役栄養素」を探す市場心理が働きました。大手食品メーカーの経営陣が「ファイバーが次のプロテインになる」と公言するなど、産業側もこの流れに乗っています。
3 不足の可視化/アメリカでは成人の9割以上が推奨量に届いていないと報告されており、この数字が「危機の物語」としてSNSで拡散しやすい形をしていました。
4 専門家が否定しないトレンドだった/生肉食や生乳飲用のように危険視されることがなく、管理栄養士や医師がむしろ支持側に回りました。炎上しないぶん寿命が長く、いまも拡大を続けています。
5 「MAHA」という政策的な追い風/2025年に発足した政府の諮問委員会「Make America Healthy Again(MAHA)」は、超加工食品を子どもの慢性疾患の一因と位置づけ、合成着色料の段階的廃止や、超加工食品の定義づけをめぐる議論を主導してきました。2026年に入り、食品メーカー各社が製品への繊維・タンパク質の添加や「超加工に見えない」設計への作り直しを進める動きが報じられています。ファイバーマキシングは、この政策・産業側の潮流と、SNS発の個人の食習慣という2つの流れが合流した地点で拡大した、という側面もあります。

ただし「増やせば増やすほど良い」ではない

ここが最も重要な部分です。トレンドの語感に引きずられて一気に量を増やすと、かえって不調を招くことがあります。専門家が繰り返し指摘しているのは、次の点です。

最大の失敗パターン 増やすペースが速すぎること。数日で倍量にするのではなく、数週間かけて段階的に増やすのが原則とされています。
水分とセットで 特にサイリウム(オオバコ)系は水を含んで膨らむ性質があるため、十分な液体と一緒に摂ることが前提になります。
合わない体質もある 小腸内細菌異常増殖(SIBO)や過敏性腸症候群の傾向がある方では、発酵性の高い繊維がお腹の張りを強めることがあります。
相談が必要な方 持病のある方、処方薬を服用中の方、妊娠・授乳中の方は、量を増やす前に医師にご相談ください。

日本人にとっては「今さら?」でもある

日本の読者の皆さんなら、アメリカ人のこうしたブームには「今さら感」を覚えるかもしれません。

日本には「腸活」「菌活」という語彙がずいぶん前から定着していますし、寒天・こんにゃく・もち麦・切り干し大根・ごぼう・納豆・きのこ類といった、繊維源として世界的に見ても優秀な食材が日常の中に数多くあります。粉寒天10gにはおよそ8gの食物繊維が含まれ、これは市販のファイバーサプリ1杯分に匹敵します。わざわざ横文字にする必要はない、というのはもっともな意見です。

ただ、一つ注意したいのは、「マキシング」(最大化)というトレンドです。これは単に目標摂取量をキープしようという話でないことは明白です。

日本の目標量(18〜64歳・1日あたり) 男性 21g以上/女性 18g以上
実際の平均摂取量(令和6年国民健康・栄養調査) 男女平均 17.7g(男性 18.8g/女性 16.7g)
アメリカの推奨量 女性 25g前後/男性 38g前後(アメリカ人の平均は16g程度と報告)
研究上の理想値 生活習慣病リスクの低下という観点では、1日25g以上の摂取が望ましいとする報告があり、この数字はアメリカの推奨量にも近い水準です。

日本の「目標量」は、生活習慣病の重症化を防ぐための最低ラインとして設定された、いわば当たり障りのない数字です。「max(最大化)」を掲げるトレンドの基準として使うには、そもそも設計思想が違います。目標量は天井ではなく、床(フロア)です。これを達成した時点で満足してしまっては、maxxingでも何でもなくなってしまいます。

つまり、「日本人はアメリカ人より目標に近い」という比較そのものが、あまり意味を持ちません。アメリカのファイバーマキシングが参照しているのは、日本の目標量よりずっと上、研究上の理想値やそれ以上の水準です。日本でこのトレンドを取り入れる価値があるとすれば、「目標量に追いつく」ことではなく、目標量という発想そのものを一度外し、理想値である25g、あるいはそれ以上を素朴に狙ってみる、というところにあります。

食事で足りない分を、どう埋めるか

大前提として、ホールフード(食材そのもの)から摂るのが最善です。豆・野菜・全粒穀物には繊維以外の栄養素も一緒に含まれているためで、この点は海外の管理栄養士も口を揃えています。

とはいえ、外食中心の日、忙しい朝、トレーニング後のプロテインシェイク。現実の食生活には、どうしても繊維が抜け落ちる場面があります。そこを埋める手段としてサプリメントを併用するのは、合理的な選択です。以下、サプマートで扱う米国製のファイバー製品を、目的別にご紹介します。

まず選ぶなら:シンプルなサイリウム

NOW FOODS
サイリウムハスク(オオバコ外皮)パウダー

オオバコの種皮を粉末にしただけの、混ぜ物のないシンプルな製品。水を含むとゲル状に膨らむ性質を持つ、ファイバーサプリの世界標準といえる原料です。味に癖が少なく、水やジュース、スムージーに溶かして使えます。まず一つ試すならここから。

粉末タイプ/必ず十分な量の水分と一緒にお召し上がりください
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NOW FOODS
サイリウムハスク(オオバコ外皮)500mg 200粒

同じサイリウムのカプセルタイプ。粉末を溶かす手間がなく、外出先や職場、旅行先でも使えるのが利点です。「粉を持ち歩けない日」の補完として、パウダーと併用する方も多い形状です。

500mg × 200粒/持ち運びやすいカプセル形状
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1杯で9g:複数の繊維を組み合わせた設計

EVOGEN(エボジェン)
ファイバー プレミアム ファイバーサポート パウダー

24回オリンピア制覇のコーチ Hany Rambod 氏が率いるブランドによる、繊維だけを設計思想の中心に置いた製品。サイリウムハスク・水溶性コーンファイバー(Fibersol®-2)・イヌリンという性質の異なる3種類のみを配合しています。付属スプーン1杯で食物繊維9g。日本の1日目標量のおよそ半分を、1杯で埋められる計算になります。

1杯あたり:食物繊維 9g/エネルギー 20〜30kcal/糖類 0g
サイリウムハスク 5,000mg・水溶性コーンファイバー(Fibersol®-2)3,000mg・イヌリン 2,000mg
※本製品は最低240mlの液体に混ぜてお召し上がりください
アンフレーバー 315g ミックスベリー 355g ラズベリーレモネード 348g EVOGEN 全商品を見る

味の選び方に迷ったら、目的で分けるのが確実です。プロテインやコーヒー、味噌汁などすでに味のあるものに混ぜるならアンフレーバー。水に溶かして単体で飲む習慣にしたいなら、ミックスベリーかラズベリーレモネードをどうぞ。

腸内細菌のエサとして:イヌリン

NOW FOODS
オーガニック イヌリン パウダー(フラクトオリゴ糖類)

チコリ根などに含まれる水溶性繊維で、プレバイオティクス(腸内細菌のエサ)として研究の蓄積がある成分です。サイリウムが「かさを増やす」方向の働きなのに対し、イヌリンは「発酵させる」方向。役割が異なるため、両者を併用する設計も理にかなっています。ほのかな甘みがあり、コーヒーやヨーグルトにも馴染みます。

オーガニック認証原料/水溶性・発酵性の繊維
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失敗しないための3つの原則

1 いきなり満量から始めない。まずは規定量の3分の1程度から。1〜2週間かけて体を慣らしながら増やしていきます。お腹の張りは「合わない」のサインではなく、多くの場合「速すぎる」のサインです。
2 水を惜しまない。繊維は水と組んで初めて機能します。特にサイリウム系は、規定量の液体に必ず溶かしてお飲みください。粉のまま口に入れることは絶対に避けてください。
3 サプリは食事の代わりではない。ここが一番の落とし穴です。豆や野菜には繊維以外の栄養素も一緒に入っています。サプリはあくまで「今日はどうしても足りなかった日」を埋める道具として位置づけるのが、長く続くやり方です。

結局のところ

ファイバーマキシングという言葉は、いずれ消えるでしょう。ルックスマキシングもプロテインマキシングも、SNSの語彙としてはすでに賞味期限を迎えつつあります。

けれど、その下に残るものははっきりしています。食物繊維を意識的に足す。目標量で満足せず、もう一段上を狙う。水を一緒に摂る。ゆっくり増やす。この4つは、トレンドが去ったあとも変わらず有効なままです。流行語としてではなく、習慣として持ち帰っていただければと思います。

本記事は食生活に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。サプリメントは「食品」であり、医薬品ではありません。持病のある方、処方薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、摂取前に医師にご相談ください。18歳未満の方はご使用いただけない製品が含まれます。体調に合わないと感じた場合は、直ちに摂取を中止してください。

参考文献

1. Reynolds A, Mann J, Cummings J, et al. — Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses. The Lancet 2019; 393(10170): 434-445.
2. Quagliani D, Felt-Gunderson P. — Closing America's Fiber Intake Gap. American Journal of Lifestyle Medicine 2017; 11(1): 80-85.
3. So D, Whelan K, Rossi M, et al. — Dietary fiber intervention on gut microbiota composition in healthy adults: a systematic review and meta-analysis. The American Journal of Clinical Nutrition 2018; 107(6): 965-983.
4. McRorie JW, McKeown NM. — Understanding the Physics of Functional Fibers in the Gastrointestinal Tract. Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 2017; 117(2): 251-264.
5. Makki K, Deehan EC, Walter J, Backhed F. — The Impact of Dietary Fiber on Gut Microbiota in Host Health and Disease. Cell Host & Microbe 2018; 23(6): 705-715.
6. Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan — Dietary Reference Intakes for Japanese, 2025 edition. / National Health and Nutrition Survey (Reiwa 6, published Dec. 2025).